キャプティブ通信 Vol.6 資産家の税逃れ防止〜保有10億円 所得ゼロでも報告義務〜

12月5日の日経新聞朝刊1面。

総資産が10億円以上ならば所得の大小にかかわらず保有資産の状況を提出するように義務付ける」とありました。

2022年度の税制改正大綱に明記する方針のようで、富裕層の税逃れが巧妙になっていることから、政府が把握できるように導入するものと思われます。

富裕層の資産把握の強化は日本だけではなく、世界的な潮流になってきています。

パナマ文書を始め、昨今著名人や政治家の租税回避地(タックスヘイブン)を利用した税逃れの実態調査が強化されています。

キャプティブもその潮流を受け、各ドミサイルでの制度改定や日本側のCFC税制で合理的な税対策が限定的なものになりつつあります。

しかし、制度の深い理解とキャプティブだけではなく、日本側とドミサイルの税制に深い知識があれば、まだまだ税メリットは享受できるものです。

これは、長年の潮流を掴んでいるからこそ可能になります。

是非、税メリットを享受されたい方は一度ご相談いただければ幸いです。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

キャプティブ通信 Vol.5 設立地(ドミサイル)はどこが最適なのか?

今回は、よく頂くご質問の一つ、「設立地(ドミサイル)はどこが良いのか?」についてお伝えします。

結論、最近はハワイかマレーシアのラブアンの2つに絞ってご案内をしています。

理由は以下の通りです。

【ハワイ】

①ほとんど日本語でやりとり、対応ができる
②アクセスの良さ
③観光

やはり理由の一番は日本語でやりとりできるということです。

そもそもあまり分からないキャプティブを英語などでやりとりをすると、コミュニケーションロスや認識の違いなどが発生しやすくなります。

些細な事で致命的なミスも発生することもあります。

その点、ハワイの場合は、キャプティブマネジャーをはじめ、銀行、弁護士、会計士、税理士、アクチュアリー等全て日本人(日本語が堪能な現地の人)が対応してくれます。

また、銀行などは電話一つで振込作業なども指示できるため非常に安心できます。

2つ目の理由はアクセスの良さです。時差はあるものの、直行便で日本各地から行けます。

また、フライト時間も10時間以上ではなく、長くても8時間程度ですし、夜出発すれば朝到着しています。

そして、何より海やアクティビティ、買い物など、観光名所としての魅力もあります。

総合的に考えてハワイは一番お勧めしたいドミサイルです。

一方、デメリットとしては、資本金が大きく求められることがあります。

中堅、中小企業においては、負担が大きくなります。

【マレーシア ラブアン】

①資本金が少額
②税率が3%(条件クリア次第)
③融通が効く

2番目にお勧めするラブアンですが、理由の一番は資本金が少額ですむことです。

規模感によりますが、ハワイと比べ1/10になることも珍しくありません。

中堅、中小企業にとっては資金効率がハワイよりよくなります。

また、様々な条件をクリアするという前提ですが、キャプティブ収益に対して上限なく税率が3%になることも大きなメリットの一つです。

ハワイも条件をクリアすれば230万USドルまで非課税というメリットがありますが、それを超えてしまう規模感であればラブアンの税制は魅力的です。

また、キャプティブ誘致に積極的なこともあり、諸条件やキャプティブの運営についても融通が効くこともあります。

以上、2つのドミサイルを会社の状況に合わせて選択されると良いかと思います。

それ以外の設立地も魅力的なところではありますが、研究所としてはハワイとラブアンをお勧めさせていただいております。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

キャプティブ通信 Vol.4 キャプティブで人気のある保険種目について

日本の保険料水準は世界的に見ても極めて高く、同じ保険種目によって、保険料が1/5になる事も多々あります。

また、日本の保険商品は補償内容がパッケージになっていることで、個々の企業に応じたリスクに備えられないケースもあります。

その中で、キャプティブを導入される企業様には、

①地震・津波リスク
②サイバーリスク
③個人情報漏洩リスク
④賠償責任リスク


の4点に対応する商品が比較的人気のある保険種目となります。

キャプティブの場合は頻繁に起きるリスクには不向きなため、頻繁に起きないが一度発生すると甚大な被害を被るリスクに向いています。

また、リスクのカバーと同時に、キャプティブへの収益(再保険との価格差)率も非常に重要な判断ポイントとなります。

収益率の高い種目は賠償責任系のものが多いです。

その点も踏まえて、キャプティブへ出再する保険種目を決めていただければと思います。

最近OECDの最低法人税率の話題や、自民党の高市政調会長による企業への内部留保金課税への言及でキャプティブへの設立問い合わせが増えております。

そのため、各ドミサイル(設立国)のレギュレーションも一段上がるような流れが来るかと思います。

設立される場合は早期検討、早期判断をお勧めしております。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

キャプティブ通信 Vol.3 キャプティブを検討するステージは売上いくらからか?

お盆を過ぎると時間の経過が早く感じます。

いよいよ10月で、今年もあと3ヶ月です。緊急事態宣言が解除され飲食業界中心に活気が戻ってくることを期待しております。

さて、今回は「キャプティブを検討するステージは売上いくらからか?」ということについて考えていきたいと思います。

実は、ご相談に来られた経営者からよくこのような質問をいただきます。

どうしてもキャプティブは大企業やグローバルに展開する企業が使われるものと思われており、数千億、数百億の規模でなければメリットを出せないと認識をされている方が多いようです。

確かに、規模が大きくなると、その分リスク量が大きくなり、それに伴い保険料も高額になります。

そのため、キャプティブを活用することでコストメリットは当然大きくなります。

一方で、導入に際してはリスク量が大きく多岐に渡り、関係部署も多数絡むため、キャプティブを組成するアレンジメントは大変なものとなります。

そのため、ご相談にいらっしゃった方には、可能な限り小さく=早く始めた方が良いとお伝えしています。

小さく始めて、関係する人が少ないうちに制度を作ることが後々良いという事です。

では、小さくとはいえ、一体どれぐらいの規模から始めるのか?

業種にもよりますが、弊所の実績では売上20億の医療法人や10億の電気工事会社などの規模でもキャプティブを活用されています。

結論としては、売上10億からでも活用いただけるということになります。

前回のメルマガでお伝えした通り、OECDの世界的法人税の引き上げ基調により、適用除外業種となったキャプティブに改めて注目が集まっております。

設立のレギュレーションやコストも高くなってきておりますので、ご検討される企業様は情報を取得して行かれた方が良いかと思います。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

キャプティブ通信 Vol.2

東京オリンピック、パラリンピックも閉幕しました。

賛否両論ある開催でしたが、選手が見せてくれた競技に対する情熱、そしてそれを支えてくれた全てのことに感謝する姿勢は、大変見応えある内容だったかと思います。

パラリンピックの最終日、女子マラソンで金メダルを取得された道下選手が自分の首に金メダルを掛けるより先に、同伴走者の青木さんにメダルを掛けられようとした姿が大変印象的でした。

さて、今回のメルマガでは経済協力開発機構(以下OECD)が共通の法印税の最低税率を15%以上とすることで合意した件についてです。

大企業に対し、事業展開している地域に関係なく「公平な税負担」を求めるというのが主旨の決定です。

そこで、キャプティブに関わる税率はどうなるのか?以下お伝えしていきます。

そもそもですが、OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」の略で、本部はフランスのパリに置かれています。

現在はEU加盟国を中心にアメリカやカナダ、オーストラリア、そして日本等38カ国が加盟をしている経済機構です。

また、OECDの最高機関であり、全ての加盟国が参加する閣僚理事会は年1回開催されています。

同閣僚理事会には、G7参加国すべてが含まれていること、さらには時期的にもサミット1か月前に開催されることから、閣僚理事会における経済成長、多角的貿易等に関する議論はサミットにおける同分野の議論の方向性に大きな影響を与えています。

したがって対外経済交渉の観点からも、OECD閣僚会議はサミットの前哨戦として重要な会議と言えます。

これまで我が国からは、経済産業大臣が外務大臣及び経済財政担当大臣とともに同閣僚会議に出席しています(経済産業省OECD紹介ページから引用)。

そのOECDが7月1日に開催した「新たな国際課税ルールに関する交渉会合」で国境を越えて活動する巨大IT企業などの税逃れを防ぐデジタル課税の導入と、法人税の最低税率を15%以上とする案を非加盟国を含む139カ国・地域に提示し、うち先進国や中国など130カ国・地域が大枠で合意しました。

2022年中に条約締結や各国で必要な国内法の改正作業を進め、23年の導入を目指すようです。

実現すれば、多国籍企業の課税逃れと法人税率の引き下げ競争に歯止めをかける転換点となります。

今後、今まで減税傾向にあった流れを止める決定になりそうです。

しかし、今回の決定で実は対象除外の業種というものが存在するのです。

対象外になった業種は、銀行・保険業、そして海運業等です。

当然、キャプティブも保険業ですので対象除外になります。

今回ほとんどの業種で対象になっていることを踏まえると、銀行、保険業にとっては追い風になり、特にキャプティブの設立需要は高まってくることが予想されております。

現に、発表後に設立依頼は増えてきております。

中堅規模の上場企業でも適正なリスクマネジメントや保険のプログラム組成、それに付随する税メリットにどんどん積極的に取り組まれてきております。

こういうものは先行してやった人が大きなメリットを得られる仕組み、制度かと思います。

一方で、設立需要が高まると、レギュレーションが厳しくなったり設立コストが高騰する傾向にあります。

迷われているのであれば、検討は早めにされることをお勧めいたします。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

キャプティブ通信 Vol.1

お問い合わせいただいた方に最新の業界情報や
キャプティブ事例や活用方法などを月1〜2回のペースで配信しています。

さて、コロナ禍で始まった2021年、開催が危ぶまれたオリンピックも賛否があるものの、日本のメダルラッシュにムードも高まったなかで終了いたしました。

沢山の感動的なシーンや手に汗握るシーンがありましたし、改めてスポーツの良さというものを実感いたしました。

一方で、4回目の緊急事態宣言の効果が疑問視されており、今後も更なる自粛ムードが継続される事でしょう。

そんな中で、企業においては、リスク管理体制やリスクファイナンスについて見直されるケースが増えております。BCPの再策定、保険の見直しをお手伝いさせていただくことも増えてきております。

また、キャプティブ研究所への問い合わせも日に日に増えており、企業のリスクに対する感度の高まりを実感しております。

更に先日、経済協力開発機構(OECD)は、加盟国を含む130の国と地域が、共通の法人税の最低税率を15%以上とすることで合意したと発表しました。

大企業に対し、事業展開している地域に関係なく「公平な税負担」を求めるという主旨です。

しかし、お気づきの方はご存知ですが、この中に銀行、保険業(キャプティブ含む)は除外業種となっているのです。この事もキャプティブを活用される企業様に追い風になっております。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

伊藤忠商事がロイズ保険組合の再保険事業に本格的に参入

はじめに

伊藤忠商事は世界最大の保険市場である英国ロイズ保険組合でシンジケートを運営するアンタレス社と業務提携を行うことになりました。

ロイズ保険組合のシンジケートから再保険引受事業を行います。ロンドンにおける英国ロイズ保険組合での保険引受事業への参入は日本企業では初めての試みになります。

シンジケートとは共有された利益を追求または促進するために、特定のビジネスを処理するために形成された個人・会社・企業のことをいいます。

伊藤忠商事がロイズ保険組合に参入する

伊藤忠商事はアンタレス社と業務提携を通して保険引受手法や販売ノウハウなどを学ぶことを目的としています。それだけでなく保険引受事業への参入を通して本格的な事業の拡大を狙っていきます。

20年春以降にはアンタレス社への人員を派遣していくことも検討されています。

協業をしていくことでお互いの事業の強化を図ることそして海外保険事業の共同展開をすることも狙いにあります。

英国ロイズ保険組合も世界中にシンジケートがあることで資本や人材が多様化しています。

またおよびアジア・新興国からのリスク引受割合増加を推進している背景もあって日本の信用と頭脳を使いたいという背景があるのかなという気がします。

伊藤忠商事の英国ロイズ保険組合への参入はお互いにとってのウイン・ウインを作れると双方が判断したものと思われます。

ロイズ保険組合とは

ロイズ保険組合は世界屈指の保険専門市場で300年以上の歴史と伝統があります。

ロンドンを本拠として200以上の国および地域で保険引受事業を展開しています。

保険料収入はおよそ3兆円規模で57社の専門保険会社が88のシンジケートを運営しています。

再保険事業に本格的に参入

伊藤忠商事は主軸の保険の仲介事業だけでなくアジア・新興国地域の保険引受事業などを強化していくことでビジネスの機会を増やしていこうという狙いがあります。

さらに海外保険事業の拡大にも取組んで行く方向で進んでいくのではないかと思われます。

日本企業が敬遠をしている再保険事業に参入するというのはとても画期的なことといえます。 再保険というのは保険会社の保険のようなものです。

引き受けた保険契約上のリスクが高いと判断された場合には責任の一部または全部を他の保険会社に引き受けてもらう制度のことをいいます。

元受の保険会社だけで引受をしようとすると引受リスクが高くなってしまい大きな損失を受けてしまう場合などに適用されます。

伊藤忠商事もキャプティブを活用しています

伊藤忠商事は香港に本社を置くコスモスグループを通してアジア圏と英国保険市場の海外保険仲介事業を展開してきました。

最近では伊藤忠商事が親会社のキャプティブの活用やファンド型保険事業体への参画を行うことで保険引受事業への見識も高めてきています。

キャプティブ研究所通信~最新のキャプティブ組成事例等を配信~

多くの大企業が採用する資産構築スキームのキャプティブは、100社100通りの活用方法があります。

2020年までに延べ90社を超える企業や医療法人にキャプティブによる資産構築モデルを提供してきた業界の第一人者、キャプティブ研究所代表だからこそご提供できる情報です。

最新のキャプティブ組成事例を配信します。

中小企業でのキャプティブ活用方法も豊富に紹介してあります。

キャプティブの具体的な多くの事例に触れてみて、貴社の資産構築にお役立て下さい。

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結局、キャプティブって何?

「もう少し分かりやすくキャプティブの仕組みを教えて欲しい」という方には、丁寧にご説明いたします。

「本当にキャプティブにメリットがあるのか?」「キャプティブは、いくらからメリットがあるのか?」「かける保険が分からない」等、キャプティブの使い方によって変わってきます。

2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供していきた当研究所の研究者にご相談下さい。

足立 哲真 キャプティブ研究所 所長 研究者

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。

企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。

あらゆる中小企業の財務に関わる中で「保険だけでは限界がある」と痛感し、日本ではまだ注目されていなかったキャプティブを活用した資産構築スキームの研究に取り組む。

2019年までに延べ80社を超える企業や医療法人にキャプティブによる資産構築モデルを提供。業界の第一人者として注目を集めている。

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ソフトバンクグループが買収した海外企業の子会社の所得を資産隠しと見られて37億円の追徴課税

はじめに

ソフトバンクグループが2013年度から2016年度まで4年間でおよそ940億円弱の申告漏れを東京国税局から指摘されていたというニュースが入りました。

ソフトバンクグループはアメリカの携帯電話大手スプリント及びアメリカの携帯卸売り大手ブライトスターを買収しています。

これらの買収された企業はソフトバンクの買収前からキャプティブ目的の子会社を作って利益を上げていました。

これらの買収した企業も含めてソフトバンクグループの資産隠しに当たるのではないかというところで大きな問題となっています。

国税局の言い分

ソフトバンクグループはアメリカの携帯電話大手スプリントを2013年、さらにアメリカの携帯卸売り大手ブライトスターを2014年に買収しています。

スプリントとブライトスターはソフトバンクグループが買収する以前からバミューダ諸島にキャプティブ目的の子会社を設立していました。

またブライトスターはシンガポールにもキャプティブ目的の子会社を設立していました。

国税局はこれらの子会社は実質的なペーパー会社でほとんど事業が機能していない。
またシンガポールの子会社も関連会社以外との取引がほとんどないということで資産隠しの目的で作った会社であると判断しました。

これらの企業の分の利益隠しも含めてソフトバンクグループが買収企業及び子会社を利用して行った利益隠しであると認定しています。

そこからこの940億円分の資産の追徴課税とソフトバンクグループの赤字を相殺して合計37億円超を新たに課税するという判断を下しました。

はじめは740億円程度だったのですが買収した企業の売却益などが正確に把握されていませんでした。

その分の売却益まで含めると合算して940億円程度になってしまったということです。

ソフトバンクグループは買収企業の事情を把握していなかった?

ソフトバンクグループ側は世界規模での携帯電話会社の買収を狙っていてかつ成功させている実績があります。

ただその分の会計や税務体質が経営規模に追いついておらず大きな課題になっているという問題があるようです。

また買収したアメリカの企業2社がキャプティブの設立目的の要件を満たしているのではないかと見たのかなという気がします。

キャプティブを設立しているので大きな課税はされないだろうという読みもあったのかもしれません。

またここでのソフトバンクグループが買収したブライトスターのシンガポール子会社がブライドスター関連以外の非関連者との取引で総売上額が半数を超えていれば非関連者の基準を満たすのでこの分の税金は免除されます。

買収した子会社がキャプティブの要件に該当するのか?

問題は総額940億円がキャプティブの要件を満たした子会社に預けられていたかというところになってきそうです。

キャプティブは自社グループ内に設置する自社グループ内のリスクを専門的に引き受けるための保険会社のことをいいます。

ソフトバンクグループが買収したスプリントとブライドスター。この2社の事業目的で支出した保険料の一部がバミューダ諸島やシンガポールなどの海外の子会社に入っていたということです。

図で説明すると親会社が買収したスプリントやブライドスターを含むソフトバンクグループ・保険会社に支払った事業目的の保険料が保険金の支払い・その保険料の一部が再保険料・バミューダ諸島やシンガポールにある海外の子会社がキャプティブに当たるかどうかを争っているということです。

携帯電話会社も損害保険やゴルフ保険などの様々な種類の保険を扱う時代になってきました。

その何らかの保険料の一部なのかなという気がします。

買収した会社の子会社に対する保険料はキャプティブの要件を満たしているのでこの資金は課税対象にはならないというのがソフトバンクグループの言い分です。

買収した会社も含めて利益を見かけ上の子会社を通しただけなのでこの資産もソフトバンクグループのものなので合算しての課税対象になるというのが国税局の言い分なのかなという気がします。

またこの買収したスプリントとブライドスターも数百クラスの傘下企業を抱えているということもあって会計処理がとても複雑で財務状況が分からなかったということもソフトバンクグループの言い分としてあります。

ただソフトバンクグループは訴訟なども含めて大きな争いをしなかったこと・自社グループにも大きな債務があるので大きな額の追徴課税にはならないと判断して比較的素直に課税に応じるという方向でまとまりました。

これだけの情報だとどちらの言い分も分かるような気がしてくるので難しい問題ですね。

双方の解釈によってどういう感じにも結論を取れるような感じもします。

さらにキャプティブ自体がまだほとんどの方に浸透していないというところもあります。

さらにソフトバンクグループのように世界中に買収した傘下企業がある。

その傘下企業の行っている事業をそのまま引き継ぐとなるとその事業内容や売上・利益にまで税金がかかることもあるのでこの面ではとても複雑な事案だったかなという気がします。

キャプティブの対象は事業目的で支出した保険料がここでいう保険商品となっています。

この保険商品に当たるのかというところが問題になるのでしょうか。いずれにしてもこのあたりのは、本当に難しいです。

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多くの大企業が採用する資産構築スキームのキャプティブは、100社100通りの活用方法があります。

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仮想通貨取引所コインベースと保険大手エーオンがキャプティブの設立を検討

ハッキング被害などに備えキャプティブの設立を検討

ビットコインの大手コインベースは再保険会社設立のルールに準拠した自社専用の保険会社であるキャプティブを設立するための交渉を大手保険会社のエーオンと行っているという情報が入ってきました。

キャプティブの仕組み

キャプティブというのは、自社グループ内に設置する自社グループ内のリスクを専門的に引き受けるための保険会社のことをいいます。

ここでのキャプティブの設立方法は親会社であるコインベースが(損害)保険会社のエーオンの許可を得てコインベースの再保険の子会社を設立することとなっています。

コインベースはお客様から預かった大量の資金が仮想通貨という形であります。この仮想通貨がハッキングや通貨暴落という形のリスクを自社で抱えていますのでこの要件に該当します。

キャプティブ創設の目的は、取引先の倒産などのような大きな損害に対して元受保険会社だけで運営しようとすると莫大な保証をしなければならない時が出てきて大きな損失を受けてしまいます。

元受保険会社を守るための保険会社を再保険会社といいます。この再保険の仕組みを利用したものをキャプティブといいます。

仮想通貨業界の保険課題をキャプティブで解消目指す

コインベースとエーオンとの間では仮想通貨取引所が利用できる保険の不足対策になるのではないかという点で利害が一致しています。

仮想通貨を扱っている企業の多くはハッキングや顧客の資産の消失に備えて損失をカバーするためのための保険をかけています。

ただこの場合でも保険に掛けた資金を他の目的で使用したいなどのようなときにその仕組みがどこまで出来ているのかがあいまいなことが多くなっています。

その点キャプティブを利用することで保険用の資産はキャプティブ内に隔離されています。

また企業が再保険市場から再々保険市場を作るなどのメリットもあります。キャプティブは親会社の資産のみを補償するもので競合は対象にはなりません。

エーオンはバミューダやケイマン諸島などのいくつかのオンショア・ドミサイルを考えているようです。

そのためにもまずは従来型の保険をある程度購入していき、そこからキャプティブ保険を含む代替的な仕組みを検討していく流れになっていくのではないかと考えているようです。

まずは仮想通貨も資産の中に入るんだということをドミサイル(バミューダやケイマン諸島など)の規制当局に理解してもらうことがとても重要なことと言っています。

キャプティブ設立に積極的なドミサイルにおいても仮想通貨というものでキャプティブの許可を出すかどうかにはまだ懐疑心があります。

多くの仮想通貨管理業者は消極的

まだ多くの仮想通貨管理業者はハッキングや顧客の資産の損失には自家保険をかけているだけです。

キャプティブを使ってまで資産を守っていこうという動きにはまだ至っていません。

仮想通貨企業は損失に対処するための対策としてはコールドストレージで自社コインを保管するという方法を採っているだけのところが多くなっているようです。

コールドストレージとはほとんどアクセスされないデータのために最適であってかつ非常に低コストで安全性と信頼性の高いストレージです。

実際に多くの仮想通貨資産を抱えている会社にはサンフランシスコにあるクラーケンとシンガポールのフォビが挙がります。

クラーケンは1億ドル・フォビは4億ドル以上の資産が仮想通貨として計上されているとのことです。

こうなってくると資産管理がとても重要になります。

ただそのようなところでも資産防衛にキャプティブを利用しようという方向にはまだ進んでいないようです。

彼らの言い分としては「キャプティブは同じ会社の中で資金を動かしているだけなのであまりメリットを感じない。保険を活用した方が利益の出る可能性は高いのではないか」ということのようです。

前向きな姿勢を示す保険会社も

キャプティブにエーオンやそのパートナーであるイーサリスクといったベンチャー系の保険会社はキャプティブの設立はもちろんのこと仮想通貨の資金をまとめて再保険のシステムに組み込んでもいいのではないかという案も出しています。

キャプティブを利用する企業が多くなれば市場にとっても活性化につながるという市場の意見もあります。

再保険導入には未だ課題が残る

仮想通貨業者の資金をまとめて再保険のシステムに組み込んでいくということになると協同組合のようになっていくのかなという指摘もあります。

  • ループ保険のような感じになっていくので自社以外の競合の会社に資産状況を監査されてしまう恐れもでてくる。
  • それぞれの企業の規模・資産・リスク耐性なども異なってくるので足並みがそろわない可能性がある

上記のような意見も出ています。

仮想通貨業界の資産にキャプティブ・再保険を活用していこうという試みはまだ今後も二転三転という流れになりそうです。

キャプティブ研究所通信~最新のキャプティブ組成事例等を配信~

多くの大企業が採用する資産構築スキームのキャプティブは、100社100通りの活用方法があります。

2020年までに延べ90社を超える企業や医療法人にキャプティブによる資産構築モデルを提供してきた業界の第一人者、キャプティブ研究所代表だからこそご提供できる情報です。

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キャプティブって何?研究者が分かりやすくご回答いたします。

「もう少し分かりやすくキャプティブの仕組みを教えて欲しい」という方には丁寧にご説明いたします。

「本当にキャプティブにメリットがあるのか?」「キャプティブは、いくらからメリットがあるのか?」「かける保険が分からない」等、キャプティブの使い方によって変わってきます。

2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供していきた当研究所の研究者にご相談下さい。

足立 哲真 キャプティブ研究所 所長 研究者

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。

企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。

あらゆる中小企業の財務に関わる中で「保険だけでは限界がある」と痛感し、日本ではまだ注目されていなかったキャプティブを活用した資産構築スキームの研究に取り組む。

2019年までに延べ80社を超える企業や医療法人にキャプティブによる資産構築モデルを提供。業界の第一人者として注目を集めている。

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損保、再保険コスト5割増見込み 相次ぐ自然災害影響

はじめに

損害保険会社が再保険会社に支払う手数料が2020年度から50%程度上がる可能性が高くなりそうです。

損害保険会社は地震や豪雨などの自然災害に対して多額の支払いに備えて引き受けた契約の一部を再保険に加入することでリスクを低減しています。

相次ぐ自然災害で保険金の支払いがかさんでしまうので手数料を上げていく方向のようです。

支払い要件を厳しくなることも

再保険への支払い手数料が高くなる以外にも保険料を据え置く場合もあります。

その場合は再保険会社の支払いのハードルが上がります。

そうしていくことで損害保険会社と再保険会社の間でも保険料の支払いや手数料なども含めて様々な調整をしていきます。

近年は地震だけでなく、台風や集中豪雨などの自然災害が明らかに増えています。

そこから再保険会社の支払いの頻度・額ともに増えていて、このままでは再保険の運営自体が成り立たなくなる懸念があります。

そのため再保険会社への手数料を上げていくことを検討するしかなくなってしまいました。

契約者の負担も大きくなる

再保険会社への損害保険会社への手数料の引き上げは、当然ながら契約者の損害保険会社に支払う保険料にも影響をしてきます。

手数料の支払いが大きくなることで、損害保険会社の運営も厳しくなります。火災保険料なども高めになるのではないかと思われます。

また契約者の負担を減らすためにも、防災・減災などのリスク低減を企業自体も行っていかなければならなくなりました。

新型コロナウイルスの影響も損害保険会社・再保険会社にいろいろな面で影響が出てきそうです。

参考資料:日刊工業新聞

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