ソフトバンクグループが買収した海外企業の子会社の所得を資産隠しと見られて37億円の追徴課税

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はじめに

ソフトバンクグループが2013年度から2016年度まで4年間でおよそ940億円弱の申告漏れを東京国税局から指摘されていたというニュースが入りました。ソフトバンクグループはアメリカの携帯電話大手スプリント及びアメリカの携帯卸売り大手ブライトスターを買収しています。これらの買収された企業はソフトバンクの買収前からキャプティブ目的の子会社を作って利益を上げていました。これらの買収した企業も含めてソフトバンクグループの資産隠しに当たるのではないかというところで大きな問題となっています。

国税局の言い分

ソフトバンクグループはアメリカの携帯電話大手スプリントを2013年、さらにアメリカの携帯卸売り大手ブライトスターを2014年に買収しています。スプリントとブライトスターはソフトバンクグループが買収する以前からバミューダ諸島にキャプティブ目的の子会社を設立していました。またブライトスターはシンガポールにもキャプティブ目的の子会社を設立していました。国税局はこれらの子会社は実質的なペーパー会社でほとんど事業が機能していない。またシンガポールの子会社も関連会社以外との取引がほとんどないということで資産隠しの目的で作った会社であると判断しました。これらの企業の分の利益隠しも含めてソフトバンクグループが買収企業及び子会社を利用して行った利益隠しであると認定しています。そこからこの940億円分の資産の追徴課税とソフトバンクグループの赤字を相殺して合計37億円超を新たに課税するという判断を下しました。はじめは740億円程度だったのですが買収した企業の売却益などが正確に把握されていませんでした。その分の売却益まで含めると合算して940億円程度になってしまったということです。

ソフトバンクグループは買収企業の事情を把握していなかった?

ソフトバンクグループ側は世界規模での携帯電話会社の買収を狙っていてかつ成功させている実績があります。ただその分の会計や税務体質が経営規模に追いついておらず大きな課題になっているという問題があるようです。また買収したアメリカの企業2社がキャプティブの設立目的の要件を満たしているのではないかと見たのかなという気がします。キャプティブを設立しているので大きな課税はされないだろうという読みもあったのかもしれません。またここでのソフトバンクグループが買収したブライトスターのシンガポール子会社がブライドスター関連以外の非関連者との取引で総売上額が半数を超えていれば非関連者の基準を満たすのでこの分の税金は免除されます。

買収した子会社がキャプティブの要件に該当するのか?

問題は総額940億円がキャプティブの要件を満たした子会社に預けられていたかというところになってきそうです。キャプティブは自社グループ内に設置する自社グループ内のリスクを専門的に引き受けるための保険会社のことをいいます。ソフトバンクグループが買収したスプリントとブライドスター。この2社の事業目的で支出した保険料の一部がバミューダ諸島やシンガポールなどの海外の子会社に入っていたということです。

図で説明すると親会社が買収したスプリントやブライドスターを含むソフトバンクグループ・保険会社に支払った事業目的の保険料が保険金の支払い・その保険料の一部が再保険料・バミューダ諸島やシンガポールにある海外の子会社がキャプティブに当たるかどうかを争っているということです。携帯電話会社も損害保険やゴルフ保険などの様々な種類の保険を扱う時代になってきました。その何らかの保険料の一部なのかなという気がします。

買収した会社の子会社に対する保険料はキャプティブの要件を満たしているのでこの資金は課税対象にはならないというのがソフトバンクグループの言い分・買収した会社も含めて利益を見かけ上の子会社を通しただけなのでこの資産もソフトバンクグループのものなので合算しての課税対象になるというのが国税局の言い分なのかなという気がします。

またこの買収したスプリントとブライドスターも数百クラスの傘下企業を抱えているということもあって会計処理がとても複雑で財務状況が分からなかったということもソフトバンクグループの言い分としてあります。

ただソフトバンクグループは訴訟なども含めて大きな争いをしなかったこと・自社グループにも大きな債務があるので大きな額の追徴課税にはならないと判断して比較的素直に課税に応じるという方向でまとまりました。

これだけの情報だとどちらの言い分も分かるような気がしてくるので難しい問題ですね。双方の解釈によってどういう感じにも結論を取れるような感じもします。

さらにキャプティブ自体がまだほとんどの方に浸透していないというところもあります。さらにソフトバンクグループのように世界中に買収した傘下企業がある。その傘下企業の行っている事業をそのまま引き継ぐとなるとその事業内容や売上・利益にまで税金がかかることもあるのでこの面ではとても複雑な事案だったかなという気がします。

キャプティブの対象は事業目的で支出した保険料がここでいう保険商品となっています。この保険商品に当たるのかというところが問題になるのでしょうか。いずれにしてもこのあたりのは、本当に難しいです。

結局、キャプティブって何?研究者が分かりやすくご回答いたします。

「本当にキャプティブにメリットがあるのか?」「キャプティブは、いくらからメリットがあるのか?」など、研究者が分かりやすくご回答いたします。「もう少し分かりやすくキャプティブの仕組みを教えて欲しい」という方にも丁寧にご説明いたします。

「どのぐらい資産を残せるのか?」「これぐらい資産を残したい」「かける保険が分からない」等、キャプティブの使い方によって変わってきます。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供していきた当研究所の研究者にご相談下さい。

キャプティブ研究所代表研究員

足立 哲真 キャプティブ研究所 所長 研究者

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。あらゆる中小企業の財務に関わる中で「保険だけでは限界がある」と痛感し、日本ではまだ注目されていなかったキャプティブを活用した資産構築スキームの研究に取り組む。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供。業界の第一人者として注目を集めている。

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