キャプティブとは何か?仕組みと日本企業の現状まとめ

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キャプティブとは何か?

キャプティブ【captive】の本来の意味は、とらわれている、束縛されて自由がないと意味で、キャプティブという名前は、親会社に従属する「捕虜」に由来します。キャプティブは自社の専属保険会社を意味し、自社もしくは自社の属するグループ企業のリスクを専属的に引き受ける保険子会社を指します。

キャプティブとは、自社グループ内に設置する自社グループ内のリスクを専門的に引き受けるための保険会社のことです。

親会社の100%出資子会社として、キャプティブ保険業法が導入されているハワイ、マレーシア、ミクロネシア、バミューダ等の国・地域に設立されます。

外国所在の保険会社がわが国内のリスクを直接引受けることは法律上認められていないため「保険会社の保険」である再保険契約を国内保険会社と締結して、キャプティブへのリスク移転を行います。

キャプティブを理解するには、まず「再保険」を理解しないといけません。

再保険とは何か?

損害保険会社は、一般の保険契約者に万一の損害に対する補償を提供するという社会的使命を果たすために、安定した経営を行う必要があります。

しかし、保険金額の高額な契約を引き受けている場合、万一事故が起こると高額の保険金を支払う可能性があります。また、地震等の大規模な自然災害が発生した場合も保険金の支払総額が高額となる可能性があります。損害保険は発生するか否か不確実な災害や事故に対する補償であるため、損害保険会社はこのような事業成績を不安定にする要因を常に抱えています。

そこで、損害保険会社Aは、高額の保険金支払いに見舞われた場合に、どの程度までの損害であれば経営に影響がないか判断したうえで、引き受けた保険契約上の責任の一部または全部を他の保険会社(損害保険会社B)に引き受けてもらうことが必要です。この保険契約が「保険会社の保険」である再保険です。

この再保険の仕組みを活用したのがキャプティブです。

以上を前提として、キャプティブの仕組みを説明します。

キャプティブの仕組み

①通常の損害保険
通常の損害保険は、保険代理店を通じて、日本所在の損保会社で契約を締結。

②キャプティブ設立
事業会社に関わるリスクを専属的に引受ける再保険子会社として、事業会社の出資により設立します。

③リスク引受
再保険の仕組みを利用して日本所在の損保会社からキャプティブへリスクを移転します。

④再々保険手配
キャプティブの保有限度を超えるリスクに関しては、再々保険会社へリスクを移転します。

⑤利益の活用
配当金として親会社に還元し、親会社の損害防止活動の原資として活用します。キャプティブ内に留保し、キャプティブの体力を高めて、引受能力の増強を図ります。

※キャプティブ研究所では、この「再保険」の仕組みを活用した資産防衛の仕組みのことを、GIP(グローバル・インシュアランス・プログラム)と呼んでいます。

キャプティブとは、具体的に何をどうするのか?

キャプティブ保険のスキームを利用するには、まずは事業の中でリスクが必要になります。例えば、地震のリスクがある、海外での訴訟リスクがある、ユーザーに対する何らかのサービスにおいてリスクが生じている場合など、損害保険として掛け金をかける必要があります。

その掛け金を、一般の保険代理店の商品につぎ込むのではなく、新しく海外で保険会社を設立するのです。そうする事で、本来ならば一般の保険会社に預けるだけのお金を、自社で運用する事が出来るようになります。その保険金で得た運用益は、タックスヘイブン国の税制で運用が出来ます。

世界でどのぐらいのキャプティブが運営されているのか?

キャプティブの起源の最も古くは、1800年代後半にまでさかのぼることができ、1926年にロンドンで出版された初期の保険史に関する書物の中に登場しています。その後、1950年代には100社程度が設立され、1970年代後半に1000社を超え、1980年代後半に2000社、1996年末のキャプティブ設立数は3795社であり、親会社の国籍別では、アメリカが1922社と圧倒的な数を誇っていました。以下、イギリス、カナダ、スウェーデンと続き、フランス、オーストラリア、オランダ、日本が第二集団を形成していました。

その後、2001年末には4,002社、2011年末には5,745社、2018年現在世界で約6,500社のキャプティブが運営されています。この約6500社の中にセルキャプティブと呼ばれる分離勘定型の親子会社のようなキャプティブは除かれているので、セルキャプティブも入れると総数は10,000社を超えています。近年世界では増え過ぎたキャプティブをM&Aで整理するぐらいです。

キャプティブを持っている日本企業はどのぐらいなのか?

キャプティブを持っている日本企業は約200社といわれています。有名な大企業がキャプティブを取り入れており、会社によっては本業と引けを取らないぐらいに莫大な利益を上げている企業もあるといわれています。

キャプティブを取り入れている大企業の一例

アルプス電気、出光興産、伊藤忠商事、エプソン、大阪商船、オリックス、花王、近畿日本ツーリスト、コスモ石油、サンスター、サントリー、シチズン、ジャパンエナジー、商工ファンド スバル、住友商事、全日空、損保ジャパン日本興亜、武富士、東急観光、東京海上、東京電力、トヨタ自動車、日産自動車米国、日商岩井、日新海上火災、ニッセイ同和損害保険、日本航空、日本石油、日本郵船、日本旅行、日立製作所、ブリヂストン、丸紅、三井住友海上、三井物産、三菱商事、ヤマハ発動機、横河電機など。

※最近では、2019年7月31日にアイシン精機が米ハワイ州に自社専属保険会社(キャプティブ保険会社:アイシン・リインシュアランス・アメリカ株式会社)の設立を発表しました。

日本の中小企業では?

以上がキャプティブを取り入れている大企業の一例ですが、第三者のキャプティブを利用し、自社設立の場合と同様の効果を得ることができるレンタ・キャプティブという仕組みでキャプティブを導入する日本の中小企業も増えてきました。

中小企業の場合、法人保険やオペレーティングリースの出口戦略としてキャプティブを活用されているケースが多いです。再保険の仕組みを活用した大企業と同様の資産防衛策「キャプティブ」を導入する中小企業は今後確実に増えていくでしょう。

日本におけるキャプティブの現状

日本では海外の保険会社との直接取引が禁止されているため、どうしても日本の保険会社にいったん保険を引き受けてもらう必要があり、今までは一部の外資系損害保険会社を除いては、保険会社の協力を得ることが難しいという事情がありました。

しかし、近年、キャプティブに対する日本の保険会社での理解も進み、協力を得やすくなってきたため、今後は日本でも欧米並みのキャプティブ活用が期待されています。

ただし、元受保険会社との交渉、綿密なミーティングが必要です。

結局、キャプティブとは何?研究者が分かりやすくご回答いたします。

以上のように、再保険の仕組みを活用した究極の資産防衛として注目されているキャプティブですが、弱点として「結局、キャプティブとは何?」と分かりづらいことです。

「もう少し分かりやすくキャプティブの仕組みを教えて欲しい」という方にも研究者が分かりやすくご回答いたします。

「本当にキャプティブにメリットがあるのか?」「キャプティブは、いくらからメリットがあるのか?」「うちの会社でも導入のメリットがあるのか?」「どのぐらい資産を残せるのか?」「これぐらい資産を残したい」「かける保険が分からない」等、キャプティブの使い方によって変わってきます。ご相談下さい。

また、「キャプティブ設立の準備にとりかかっているが、想定しているスキーム、収益等、第三者の意見を聞いてみたい」など、セカンドオピニオンを受けたいという方もいらっしゃいます。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供してきた当研究所の研究者にご相談下さい。

キャプティブ研究所では研究者への電話相談窓口も設置しました。研究者が丁寧にご説明いたします。

キャプティブ研究所代表研究員

足立 哲真 キャプティブ研究所 所長 研究者

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。あらゆる中小企業の財務に関わる中で「保険だけでは限界がある」と痛感し、日本ではまだ注目されていなかったキャプティブを活用した資産構築スキームの研究に取り組む。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供。業界の第一人者として注目を集めている。

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