引当金対策としてキャプティブの活用は有効か?

  1. キャプティブの活用方法
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はじめに

スーパーや電気量販店などでは商品購入に応じたポイントサービスを行っています。ポイントの会員になると500ポイント、ある商品を購入すると商品の1%がポイントとしてサービスされる。水曜日などの平日はお客様が少ないので商品によってはポイント5倍サービスをしますという感じでお客様に還元しています。

ポイント制のメリットとデメリット

このポイント制導入のメリットはこれによってお客様によりまた来ていただける・買っていただける可能性が高いということです。とにかくまた店に来ていただいてまた何かを買ってもらえる可能性が高い。リピート客を呼び込むための1つの方法といえます。

反面ポイント制のデメリットはポイントをお客様に還元していくことでこのポイントの分を割引しなければならないということです。店側にとっては経費扱いになります。つまりはポイントの分だけ店にとっては収益が下がってしまうということです。

もっと厄介な問題もある

ただポイントをお客様に還元しなければならないことよりも実はもっと厄介な問題があります。お客様がなかなかポイントを還元しない場合です。「手続きが面倒だからポイントなんて還元しなくてもいいや」とか「ずっと保有してさらに大きなポイントが付いたら還元すればいいや」というお客様も多くいるのが実際です。現にポイントを還元しないで持っている方が数多くいるという実態もあります。

なぜお客様がポイントを還元しないと店側にとっては不都合になるのか?実はこのポイントは税務上の経費としてカウントされないからです。経費不算入・有税償却という言葉を使うこともあります。つまりは税金となってしまうことです。還元されないポイントが毎年税金扱いになってしまうということです。

このポイントは経営状況などによって上げたり・下げたり・なくしたりすることができるという点で店側にとっては都合が良過ぎるということです。

もしこのポイントが経費扱いにしてしまうと会社の景気・収益がいい時はポイントの率を上げてどんどんお客様に還元していく。反面景気や収益が悪くなってきたらポイントの率を下げていくことも可能になります。実際に多くの店舗はこのような選択をしてくるものと思われます。店側にとって都合がいいものになってしまうので一律損金算入にはしないという方向になっています。

こうして考えていくと店にとってはポイントを還元してくれた方が良いということになります。お客様が還元することで割引販売をしたと思えばいい。ただいつまでも還元してくれないと毎年毎年そのポイントが税金として算入されてしまう。店側の立場にとってはとても頭の痛い問題になります。

もし、ある家電量販店のポイント加入者が50万人いるとします。その加入者1人あたりの平均のポイントが1000ポイントだとすると、1000ポイント×50万人=5億円相当になります。お客様がポイントを還元しない限りこの5億円は毎年税金としてカウントされてしまうことになります。それにとどまらず新たな契約にポイントが付いてしまうので未還元のポイントが毎年どんどんたまって税金に該当する部分がさらに増えてしまう。店舗を運営する経営者側にとってはとても頭の痛い問題になります。

ポイントをお客様に還元されても還元されなくてもデメリットになってしまう。さらに後者のケースでは多額の税金を支払うことになってしまうので店側としては本当に何とかしなくてはいけない問題になります。

ポイントや延長保証料は引当金にあたるのか?

この店でつけているポイントは引当金として会計実務上で計算することができます。ただ引当金は、税務上は税金の対象になってしまいます。

引当金のメリットは実際にお金を払うまではお金が内部に残ること・保険よりも運営費が安くなること・一時的な特別利益への繰り越しも可能になります。

ただ引当金にもデメリットがあります。損金性がないので税金扱いになってしまうこと・負債を増やしてしまうこと・安易に増やしてしまうと過大な引当状態になってしまうこと・監査法人に伺いを立てなければならないこと・一時的な特別利益の分を期末に特別損失として会計をし直さなければならないこと・会計処理が煩雑になること・今までの先例や判例の影響を受けることなどが問題になってきます。

また家電量販店などでパソコンなどを購入することで一定の期間無償での修理を行ういわば延長保証料なども引当金に該当します。

ポイントや延長保証料などの引当金対策にキャプティブを検討

このキャプティブというのは、自社グループ内に設置する自社グループ内のリスクを専門的に引き受けるための保険会社のことです。キャプティブは自社の100%出資の子会社で日本ではまだ作ることが許されていないのでハワイ・バミューダ・ミクロネシア等に作ることになります。現在ハワイが主流になっています。

現時点では親会社の引当金をそのまま子会社のキャプティブに移すことは許されていません。そこで元受保険会社を通して行う必要があります。この引当金を大口の取引先が倒産した時の貸倒損失保険・建物や商品に対する地震火災保険などの保険商品に変換します。この商品で再保険契約を行います。

この元受保険会社のところに共済を使うこともできます。共済を使うことで手続きがだいぶ楽になります。ただ保険に比較して損害が起こった時の補償の割合が下がることがありますのでこの点は注意が必要になります。

さらにキャプティブの保有限度の損害を受けるリスクを懸念して再々保険会社に保険金を支払って、リスクを移転することもできます。

親会社は引当金を基に保険商品に変換して元受保険会社に保険料を支払います。元受保険会社は大きなリスクをキャプティブに受けてもらう代わりに再保険の料金を支払います。

キャプティブから配当金として親会社に還元し、親会社の損害防止活動の原資として活用します。キャプティブ内に留保し、キャプティブの体力を高めて、引受能力の増強を図ります。

当研究所では、引当金対策にキャプティブの活用は有効だと考えています。

キャプティブを取り入れている企業の一例

アルプス電気、出光興産、伊藤忠商事、エプソン、大阪商船、オリックス、花王、近畿日本ツーリスト、コスモ石油、サンスター、サントリー、シチズン、ジャパンエナジー、商工ファンド スバル、住友商事、全日空、損保ジャパン日本興亜、武富士、東急観光、東京海上、東京電力、トヨタ自動車、日産自動車米国、日商岩井、日新海上火災、ニッセイ同和損害保険、日本航空、日本石油、日本郵船、日本旅行、日立製作所、ブリヂストン、丸紅、三井住友海上、三井物産、三菱商事、ヤマハ発動機、横河電機など。

結局、キャプティブって何?研究者が分かりやすくご回答いたします。

引当金対策にキャプティブの活用は有効ですが、そもそもキャプティブって何?というのが通常です。

「本当にキャプティブにメリットがあるのか?」「キャプティブは、いくらからメリットがあるのか?」など、研究者が分かりやすくご回答いたします。「もう少し分かりやすくキャプティブの仕組みを教えて欲しい」という方にも丁寧にご説明いたします。

「どのぐらい資産を残せるのか?」「これぐらい資産を残したい」「かける保険が分からない」等、キャプティブの使い方によって変わってきます。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供していきた当研究所の研究者にご相談下さい。

なぜ引当金対策にキャプティブが有効なのかも分かりやすくご説明いたします。

キャプティブ研究所代表研究員

足立 哲真 キャプティブ研究所 所長 研究者

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。あらゆる中小企業の財務に関わる中で「保険だけでは限界がある」と痛感し、日本ではまだ注目されていなかったキャプティブを活用した資産構築スキームの研究に取り組む。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供。業界の第一人者として注目を集めている。

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