引当金対策としてキャプティブの活用は有効か?

  1. キャプティブの活用方法
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はじめに

取引先の倒産、リコール発生や設備の損害等による経済的損失のような将来の支出や損失に備えるため、企業では会計上、引当金を計上して一定のリスク対策をしています。 新たな企業のリスク対策として、引当金に替えて、あるいは引当金と組み合わせて損害保険を検討されている企業も増えてきました。 引当金のメリット、損害保険のメリットを組み合わせたリスク対策をします。

ただ、損害保険にも保険料というキャッシュアウトが先に生じる、かつ、掛け捨てであるデメリットがあります。 そこで、キャプティブ研究所では、再保険の仕組みを活用したキャプティブ保険子会社に損害保険金の一部を保有できる仕組みをご提案しています。

税務では引当金を経費に入れることが認められない

経費として使ったはずなのに、税務では経費として認められません。 引当金は、恣意的な操作で金額を増やしたり、減らしたりすることができるので経費としては認められず、損金不算入となります。損金不算入は、別な言葉で表現すると有税償却と言われています。税務では引当金を経費に入れることが認められません。

引当金と保険のメリット・デメリット

引当金のメリット

  1. 固定費に近いものは、保険より安く運営できることがある。
  2. コストを実際に払うまでキャッシュアウトがない。
  3. 特別利益への繰り戻しも可能。

引当金のデメリット

  1. 貸借対照表の負債が増加する。
  2. 損金性がない。
  3. 引当方法に関し、監査法人等の見解と調整に時間がかかる。
  4. 期末に特別損失を生じさせるリスクがある。

保険のメリット

  1. 少ない費用で、大きな補償を、すぐに準備できる。
  2. 巨額損害も平準化できる。
  3. 保険料は損金計上可能。
  4. 貸借対照表から切り離すことにより、自己資本 比率等の財務指標が良化する。
  5. 多くの引当金を積み立てる必要がなくなる。

保険のデメリット

  1. 固定費まで保険化すると、保険料が割高になることがある。
  2. 保険料というキャッシュアウトが先に生じる。
  3. 保険料は掛け捨てになる。

引当金をいくら積むべきか?

小規模で頻発するもの、発生頻度がある程度、正確に予測できるものは引当金が最適です。 ただ、引当金をいくら積むべきかの判断は難しいです。引当金を少なく見積もると、大規模リコールなどが発生した場合、決算時に利益が下振れするリスクがあります。 逆に、利益の下振れリスクを回避するために引当金を多く積んでも利益は減少しますし、加えて課税対象になります。財務担当の方は頭を悩ませるところです。 頻度は低いものの、発生した場合は高額な費用が必要になるものには保険が最適です。

掛け金を保有できる仕組み

確実に発生すると予測される部分は引当金でカバーし、引当金ではカバーしきれない巨額損失に対して、免責部分を設けて保険化をする。 というのが一般的なリスク対策なのですが、保険料というキャッシュアウトが先に生じる、かつ、掛け捨てというデメリットをカバーして、掛け金を保有できる仕組みが、以下で説明する「キャプティブ」です。

キャプティブとは?

キャプティブとは、自社グループ内に設置する自社グループ内のリスクを専門的に引き受けるための保険会社のことです。

キャプティブの仕組み

①通常の損害保険 通常の損害保険は、保険代理店を通じて、日本所在の損保会社で契約を締結します。

②キャプティブ設立 事業会社に関わるリスクを専属的に引受ける再保険子会社として、事業会社の出資により設立します。

③リスク引受 再保険の仕組みを利用して日本所在の損保会社からキャプティブへリスクを移転します。

※外国所在の保険会社がわが国内のリスクを直接引受けることは法律上認められていないため「保険会社の保険」である再保険契約を国内保険会社と締結して、キャプティブへのリスク移転を行います。

④再々保険手配 キャプティブの保有限度を超えるリスクに関しては、再々保険会社へリスクを移転します。

⑤利益の活用 配当金として親会社に還元し、親会社の損害防止活動の原資として活用します。キャプティブ内に留保し、キャプティブの体力を高めて、引受能力の増強を図ります。

キャプティブ保険のスキームを利用するには、まずは事業の中でリスクが必要になります。 例えば、地震のリスクがある、海外での訴訟リスクがある、ユーザーに対する何らかのサービスにおいてリスクが生じている場合など、損害保険として掛け金をかける必要があります。引当金の場合は、取引先の倒産、リコール発生や設備の損害等のリスクです。

その掛け金を、一般の保険代理店の商品につぎ込むのではなく、新しく海外で保険会社=キャプティブを設立するのです。 そうする事で、本来ならば一般の保険会社に預けるだけのお金を、自社で運用する事が出来るようになります。

引当金対策としてキャプティブ活用は有効

キャプティブ保険子会社に損害保険金の一部を残すことができ、本来ならば一般の保険会社に預けるだけのお金を、自社で運用する事が出来るようになります。引当金対策としてキャプティブの活用は有効です。

まとめ

小規模で頻発するもの、発生頻度がある程度、正確に予測できるものは引当金が最適です。 ただ、引当金をいくら積むべきかの判断は難しいです。引当金を少なく見積もると、大規模リコールなどが発生した場合、決算時に利益が下振れするリスクがあります。 逆に、利益の下振れリスクを回避するために引当金を多く積んでも利益は減少しますし、加えて課税対象になります。財務担当の方は頭を悩ませるところです。 頻度は低いものの、発生した場合は高額な費用が必要になるものには保険が最適です。 引当金のメリット、損害保険のメリットを組み合わせたリスク対策をします。

ただ、損害保険にも保険料というキャッシュアウトが先に生じる、かつ、掛け捨てであるデメリットがあります。 そこで、キャプティブ研究所では、再保険の仕組みを活用したキャプティブ保険子会社に損害保険金の一部を保有できる仕組みをご提案しています。

結局、キャプティブって何?研究者が分かりやすくご回答いたします。

引当金対策にキャプティブの活用は有効ですが、そもそもキャプティブって何?というのが通常です。「もう少し分かりやすくキャプティブの仕組みを教えて欲しい」という方にも丁寧にご説明いたします。

「本当にキャプティブにメリットがあるのか?」「キャプティブは、いくらからメリットがあるのか?」「どのぐらい資産を残せるのか?」「これぐらい資産を残したい」「かける保険が分からない」等、キャプティブの使い方によって変わってきます。研究者が分かりやすくご回答いたします。

2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供してきた当研究所の研究者にご相談下さい。 なぜ引当金対策にキャプティブが有効なのかも分かりやすくご説明いたします。 キャプティブ研究所では電話相談窓口も設置しました。お気軽にご相談下さい。

キャプティブ研究所代表研究員

足立 哲真 キャプティブ研究所 所長 研究者

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。あらゆる中小企業の財務に関わる中で「保険だけでは限界がある」と痛感し、日本ではまだ注目されていなかったキャプティブを活用した資産構築スキームの研究に取り組む。2019年までに延べ80社を超える企業にキャプティブによる資産構築モデルを提供。業界の第一人者として注目を集めている。

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