キャプティブ通信 Vol.15 ハワイドミサイルの今後

今回もハワイからお届けします。

先日、某ハワイの銀行とMTGをしたのですが、ハワイは全世界的に見てもキャプティブ誘致を非常に積極的にしており、来年以降も更に誘致を強化するとの事でした。

背景にはコロナや円安による日本人観光客の減少があるようですが、もう一つ重要なことがあります。それは、11月8日のハワイ州知事選の結果、民主党のジョシュ・グリーン氏が当選したことです。グリーン氏は現イゲ知事政権下で副知事として活躍された方で、元々は医師としてのキャリアを活かしコロナ関連対策などを先導されたことが当選の後押しになったようです。グリーン氏はキャプティブにも非常に明るい方であり、観光産業だけではなく金融保険業でも誘致を積極的にされる方向とのことです。(某銀行幹部談)

キャプティブに関わる銀行も各サービスプロバイダーも日本語対応をしているハワイは、今後も人気のドミサイルとして確固たる地位を築いていくことでしょう。

しかし、一方で円安の影響は現地に行くと痛感します。本日食べた丸亀製麺の肉玉うどん大盛りは日本円換算で約2,000円、コーヒー店ではアイスコーヒーが1杯1,000円近くします。当面、物価高の上昇率は落ち着くものの高い状態で推移するでしょう。日本円の価値がどんどん落ちるのを体感しますし、外貨準備の必要性を切に感じます。

 

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キャプティブ通信 Vol.14 ラブアンキャプティブについて

10月5日から4日間マレーシアのクアラルンプールとラブアン島に訪問してきました。ラブアンはマレーシアの首都クアラルンプールから、飛行機で約2時間30分のところです。非常にのどかな田舎町ではありますが、世界の銀行が支店を出している金融島でもあります。

ラブアン現地キャプティブマネジャーや弁護士、税理士、会計士との久しぶりのMTGは、大変有意義な時間でした。弊所のお客様も、ラブアン島にキャプティブを設立されています。コロナ禍でなかなか現地訪問ができない時期が続きましたが、今回ご案内できたことでお客様も安心感が高まったと仰っていました。やはり、温度感や人の繋がりがあるとイメージできる幅も広がりますね。

現状、ラブアンキャプティブは50数社ありますが、大半が日本の企業です。(大和ハウスが有名ですね。)取り扱う種目として多いのは、火災・家財・地震・賠責などです。
また、マレーシア特有ですが、基本現地の担当プロバイダーはほとんどが女性です。男性はどちらかというと仕事に対しては緩く、女性の方がしっかりしているという国民性のようです。しっかりと細やかなところまでフォローしていただけるので、依頼する側からすると安心できます。

ラブアンキャプティブも、今後は設立需要が高まっていくと予想されております。OECDの法人税率の議論で、保険業が適用除外になるというのが追い風なっている一方、設立需要に対して供給する人材が不足しており、設立費用が高騰すると予想されます。
ラブアンは現状、適用要件をクリアすると法人税が3%で済むというタックスヘイブン地域になります。キャプティブだけではなく、ラブアン法人を設立し、マレーシア居住をしながら税対策をする日本人も増えているようです。

 

マレーシアは平均年齢が29歳という非常に若い、これからの国です。人口3,000万人ではありますが、国土は日本とほとんど同じぐらいの広さになります。開発が年々進み、大きな可能性を秘めている国だと肌で感じました。多民族、多宗教の民主国家ということで非常に面白い国です。今後も訪問する機会が増えそうですので、その度に新たな情報をこちらのメルマガでも配信したいと思います。

 

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キャプティブ通信 Vol.13 取引信用保険を活用したキャプティブの可能性

現地時間で明日、第2回目のセミナー@ハワイを開催させていただきます。

(前回はオンライン配信を行いましたが、銀行側からのコンプライアンスの観点上、今回はリアル開催のみです。)
日本からもキャプティブを検討中の方がご参加され、良い時間になりそうです。

さて、本日のテーマは「取引信用保険を活用したキャプティブの可能性」についてです。
そもそも取引信用保険とは、取引先の倒産や支払い遅延によって売掛債権を回収できなくなるリスクに備えられる保険です。取引先の倒産や破産、支払い遅延などで、売掛金や売掛手形などが回収できなくなって損害が生じると保険金が支払われる保険になります。

日本で加入をされている企業も増えてきておりますが、日本の保険会社の補償範囲は決して広いとは言えず、地震・津波などで売掛債権が回収できない状態の場合は免責など、使いたい時に使えない商品もあります。  一方、取引信用保険の主戦場は欧米です。日本に進出している外資系の取引信用保険会社は3社ありますが、その全てが欧州です。日本の保険会社ではカバーが難しい、サービス提供(役務)に対しての売掛債権や、地震・津波の自然災害、戦争などもカバーできる非常に優れた商品を提供しています。
 そこで、キャプティブを活用し、高額な売掛債権の補償や一定金額以下の全売掛債権を無記名で補償、国内・海外の売掛債権を同時に補償等、リスクの引受補償範囲等を交渉する事で、キャプティブに残る収益性を高める可能性もあり、保険と収益の両面を追求できる非常に優れたキャプティブプログラムになる可能性が高いです。

詳細については、是非一度ご相談ください。

 

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キャプティブ通信 Vol.12 ハワイキャプティブ&投資セミナー

暑い日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

6月に開催したハワイオンラインセミナーも無事に終了し、非常に役立ったとご満足のお声をいただきました。当日はセントラルパシフィックバンクのセミナールームをお借りし、グループCEOの与那嶺会長にもご挨拶をしていただきました。お話を伺うなかで、日系企業の誘致をかなり積極的に取り組まれていると実感しました。
ハワイはもうノーマスクで、マスクをしていると違和感がある状態です。飲食店も多くの人が入っており、活気が戻ってきています。

さて、大変好評いただいたオンラインセミナーですが、大変残念ながら、セントラルパシフィックバンクや海外生命保険の話では、日本への勧誘と見做されるリスクがあるということでオンラインセミナーは今後開催を断念する事になりました。
 しかし、そういうことであれば、現地だからこそお伝えできる情報を更に充実させようと、第2回目を開催する運びとなりました。今回の内容は以下となります。是非、ご旅行やビジネスと重ねて日程の合う方はご参加いただければ幸いです。

【開催概要】 ▼日時 ※現地時間
2022年9月1日 13:00-17:30
13:00-16:00 セミナー
16:00-17:30 レセプションパーティー

▼主な講演内容 ・ハワイキャプティブプログラムを活用したリスクファイナンスと資産防衛についての研究報告
・ハワイ再保険会社、ブローカーによるキャプティブの活用方法
・セントラルパシフィックバンクによる資産運用の活用事例
・ハワイ不動産の魅力と物件紹介 など

その他詳細やお申込みは、下記よりご確認くださいませ。 
みなさまのご参加お待ちしております!

 

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キャプティブ通信 Vol.11 ハワイからオンラインセミナーをお届けします!

ようやく様々な制限が解除や緩和されるようになってきました。

私も久しぶりに今月ハワイに訪米してきます。

今回の目的は、今まで設立のご依頼、ご契約をいただいたお客様のアテンドをまとめてする事と、現地のキャプティブMGRや銀行、不動産、投資等についての情報を取得することです。オンラインMTGで常に情報交換をしているものの、やはりFace to Faceではコミュニケーションの奥行きが違います。

そして、24日には、訪米ツアーに参加されているお客様向けにセミナーを開催します。キャプティブのトレンド、銀行や不動産の状況、投資信託の運用状況などをセミナー形式で参加者の方々にお伝えしていきます。

今回は特別に、オンラインでセミナーの内容を配信することにしました。
オンライン参加費として1万円をいただくのですが、現地に行かずに情報を取得できる貴重な機会になるかと思います。
是非、ご興味、ご関心のある方はご参加いただければ幸いです。

【開催概要】 ▼日時 ※日本時間
・2022年6月24日(金)
・8:00セミナースタート~12:00終了予定
 (開始10分前より受付)

▼主な講演内容 ・ハワイキャプティブ最新情報(講師:ハワイ再保険会社)
・アメリカの生命保険情報(講師:ハワイ保険ブローカー )
・ハワイ不動産情報(講師:ハワイ不動産ブローカー )
・銀行での資産運用情報(講師:Central Pacific Bankプライベートバンカー)
*講演内容等が講師の事情により変更になる場合がございますのでご了承ください。

その他詳細やお申込みは、下記よりご確認くださいませ。 
みなさまのご参加お待ちしております!

 

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キャプティブ通信 Vol.10 ドル資産を海外で持つ価値

本日のテーマは、ドル資産を海外で持つ価値です。

ここ最近の為替の値動きが活発になってきておりますね。
先日の日経新聞で掲載されておりましたが、円の総合的な実力が約50年ぶりの水準に低下したというニュースが出ておりました。国際決済銀行(BIS)が2022年1月の実質実行為替レート(2010年=100)は、67.55と1972年以来の低水準と発表しました。実質実行為替レートは貿易量などをもとにさまざまな国の通貨の価値を計算し、物価変動も加味して調整した数値です。高いほど対外的な購買力があり、海外製品を割安に購入できることを示しています。

円の実質実行レートは円相場が初めて1ドル=70円台に突入した95年の150台が最高で、当時に比べ半分以下に低下しております。一体どこまで円が下落するのかは分かりませんが、円の価値が今後上がるという事は様々な観点から考えづらいことはお分かりいただけるかと思います。

キャプティブをご検討される方は、共通して「外貨を“海外法人”で持てる」というニーズを非常に強く感じております。外貨保有の割合を高めリスク分散をするという点で、キャプティブは活用方法として非常に高い評価をいただいております。外貨預金でもなく、海外法人で税対策や保険の適正化をしながら保有できるメリットは大きくなってきております。
一方で、円安且つ米国の急激なインフレにより設立コストや運営コストは円建ての場合は非常にコスト増になっていることも事実です。

この点は判断に迷うところかもしれませんが、個人的にはリスク分散のために外貨保有をできる限り早いタイミングでされることをお客様にはお勧めしております。

 

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キャプティブ通信 Vol.9 ロシアのウクライナ侵攻とキャプティブ

さて、今回のテーマは「治安」のリスクに対する保険についてです。一般的には「戦争、紛争」に対してはほとんどが免責、すなわち補償対象外というのが常識です。海上保険や船舶保険など一部の保険種目を除き、全ての損害保険で戦争・内乱・クーデター・革命は免責事項とされています。これは広域化かつ大規模な損害に繋がるため損害保険会社が支払いに耐えきれないためです。今回のロシア軍によるウクライナ侵攻により家屋や商業施設、工場等が破壊されても補償は受けられません。

ではこれらのリスクに何らかの補償の手立てはあるのでしょうか?

答えはYESです。戦争・内乱・クーデター・革命・暴動・テロなどを補償する「治安リスク保険(Political Violence Insurance)」という保険がグローバルで提供されており、多くの欧米企業が購入しています。 治安リスクとして企業が影響を最も受けるのは「事業中断損害」です。例えば、道路やライフラインの寸断による原材料の納入ができなくなる事や、人員避難による操業中止、営業停止などがあります。これらの事業中断損害も「治安リスク保険」では補償可能です。
「治安リスク保険」の歴史は比較的新しく、アメリカ同時多発テロ事件に端を発しています。

グローバルではある程度認知をされている保険ですが、日本国内においてはどうでしょうか?おそらくほとんどの企業が知らない状態だと思います。 それは日本の保険会社が積極的に販売していないからです。なぜなら、「治安リスク保険」は特殊なリスクのため引き受ける再保険会社も限定的なので、日本の再保険会社は再保険の手当ができないのです。言い換えれば、再保険の手配ができれば日本でも加入することができます。

これらのグローバルな保険商品や、その引き受けについてもキャプティブを活用すれば幅広く可能になります。この情勢をきっかけに、キャプティブをご検討される企業も増えてきております。一度、グローバルに展開をしている企業様や、検討されている企業様はご検討されていいかと思います。

 

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キャプティブ通信 Vol.8 キャプティブ設立、運営コストの増加傾向

今回のテーマは、「キャプティブ設立、運営コストの増加傾向にある」です。

キャプティブを設立、運営していくためには様々なプロバイダーとの取引があります。例えばキャプティブマネジャー、弁護士、会計士、税理士、アクチュアリー等が代表的なところです。

そして、タックスヘイブン対策税制に対応するため現地オフィスを借りることや、現地のスタッフなどを雇うことも必要になってきます。そのため、キャプティブを設立、維持するのには年間でも数百万〜数千万のコストがかかることになります。

先日2022年2月11日の日経新聞朝刊にて「米消費者物価7.5%上昇、長引くインフレ」というタイトルで、米国における人件費の高騰やオフィス賃料の上昇などが取り上げられておりました。今後もこの流れは当面続くものとみられており、それに合わせてキャプティブの設立コストや維持コストも増加傾向になることは間違いありません。

今後、日本のキャプティブ保有企業に求められることは、費用対効果の高い保険を仕入れる事はもちろんのこと、いかに「固定費を下げるか」も合わせて求められます。具体的には、各サービスプロバイダーとの値段交渉も一つの手法です。一方的に下げてくれという話ではなく、具体的な業務内容の分担割合の話や、キャプティブ保有企業同士の連携なども一つの手法です。セルキャプティブの活用なども方策としては考えてもいいかもしれません。

今後のキャプティブ設立、維持コストの増加傾向に対しての対策も当研究所として力を入れていくポイントになります。
もし、当メルマガをご参照いただいている方で、キャプティブのコストについて削減されたい方はご相談いただければ幸いです。

 

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キャプティブ通信 Vol.7 年末のご挨拶

2021年は大変お世話になりました。

キャプティブ研究所も一般社団法人化し、より公的な活動をする土台が整った1年でした。毎月多くのお問い合わせをいただき、年間100件に近い企業様へのアドバイスや、ハワイとラブアンを中心とした設立も行わせていただきました。

まだまだ中堅、中小企業様への認知度は低く、活用事例も数少ないものになりますが、徐々に増えてきている実感があります。

リスクファイナンスという王道の使い方もそうですが、やはり「資産税をどう回避するのか」「どう資産を守るのか」への経営者様の関心度が非常に高いです。特に今年は政権が変わり、いよいよ内部留保金課税の議論も加熱してきております。

そして、コロナに対する財政出動による反動での増税は逃れられないものになります。日本の財政状況も悪化の一途をたどっており、今後益々リスク分散のために海外を活用した資産保全は求められます。

キャプティブ研究所として、来年も多くの中堅中小企業様に質の高い情報をご提供することに注力し、設立もさらに増やしていきたいと思っております。

来年も、一般社団法人キャプティブ研究所を宜しくお願い申し上げます。

最後になりますが、皆様のご多幸を祈念して本年の最終メルマガにさせていただきます。

所長 足立 哲真

キャプティブ通信 Vol.6 資産家の税逃れ防止〜保有10億円 所得ゼロでも報告義務〜

12月5日の日経新聞朝刊1面。

総資産が10億円以上ならば所得の大小にかかわらず保有資産の状況を提出するように義務付ける」とありました。

2022年度の税制改正大綱に明記する方針のようで、富裕層の税逃れが巧妙になっていることから、政府が把握できるように導入するものと思われます。

富裕層の資産把握の強化は日本だけではなく、世界的な潮流になってきています。パナマ文書を始め、昨今著名人や政治家の租税回避地(タックスヘイブン)を利用した税逃れの実態調査が強化されています。

キャプティブもその潮流を受け、各ドミサイルでの制度改定や日本側のCFC税制で合理的な税対策が限定的なものになりつつあります。しかし、制度の深い理解とキャプティブだけではなく、日本側とドミサイルの税制に深い知識があれば、まだまだ税メリットは享受できるものです。これは、長年の潮流を掴んでいるからこそ可能になります。

是非、税メリットを享受されたい方は一度ご相談いただければ幸いです。

今後も有益な情報をお届けして参りますので、キャプティブ研究所を何卒よろしくお願い申し上げます。

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